はじめまして。unico事業部長の濱田です。

unico事業の代表として、全教室の統括やメソッドの開発、新教室の展開などを担っています。
HPリニューアルに伴いブログも開設ということで、これから定期的に、unicoの取り組みや考え方などについて発信していこうと思っています。

今回は初回投稿ということで、自己紹介もかねて僕自身がunicoにいる理由をお話しさせていただきます。

といったところで急なのですが、ひとつ作品を紹介させてください。

いきなりなんだこれという感じだと思いますが、実はこの作品が、僕が今unicoにいる理由を作ってくれたものなんです。

僕は大学を出たあと、4年間ほど特別支援学校の講師として働いていました。
この作品は、その特別支援学校で初めて受け持った子が書道教室の授業で書いたものです。

実は、書道教室の前日にみんなどんな字を書くか決めていて、その子は「車」という字を書くことになっていたのですが(車が大好きだったので)、その日その時のそうしたいという衝動が勝ったのか、このような結果になりました(笑)

でも、その書いている姿とできあがった作品を見て、僕は震えるほど感動してしまいました。
こうすべきというような観念にとらわれず、心からやりたいと思ったことをやりたいその時にやっている自由で素直な姿が、本当に生き生きとして見えたんです。

“ゆめたうん”と書きたいあまりに、勢いのまま大きくなってしまった”ゆ”も、力を入れすぎて穴が潰れてしまった”め”も、だんだん小さくなってしまっている他の字も、目にしたとき愛おしくてたまらなくなりました。

僕は学生時代から教育に興味があり卒業後は一般の中学校で先生になるつもりだったものの、ご縁あって特別支援学校で働くことになったのですが、今思えば当時の僕は恥ずかしながら「ふつうはできるはずのことができない子たち」つまりは「ふつうより劣った子たち」というような見方を知らず知らずのうちにしてしまっていました。

もちろん”ゆめたうん”の子も、できないことやうまくいかないことがたくさんありました。
そして、”ゆめたうん”の作品も、字の形や大きさもバラバラですし、決して出来の良い作品とは言えないかもしれません。

でも、この”ゆめたうん”を書いている時のその子の姿とできあがった作品を目にして、とてつもなく感動してしまっている自分を振り返り、ふと「できる・できないは人の価値を決めるものじゃない」という当たり前だけど本当に大切なことを心の芯から理解ができたような気がしました。

そして、「できないことをできるように」ではなく、”ゆめたうん”の子が見せてくれたように、まさに「その子が持っている可能性が解放されるように」していきたいと思うようになりました。

何気ない授業のひとコマでしたし、本人はやりたいことをやりたいようにやっただけで、もちろん僕を感動させるつもりなんて全くなかったと思いますが、僕にとっては本当に大事にしていきたいことに気付けた大事件でした。

それから、特別支援学校で4年間経験を積んだ後、しっかりと子どもたちにとってどんな環境や教育が大事なのかを将来を見据えて提供できるようになりたいと思い、大人の障害のある方の就職支援の仕事に就きました。

そして、今unicoで実践している「ポカポカ」「イロイロ」が大事だと確信し、作り上げて広げていきたいということで、unicoに参加し、今に至っています。

これが今僕がunicoにいる理由で、そしてその僕の可能性を解放してくれたのが、”ゆめたうん”の彼だったのでした。